5月30日 第9次高裁要請を行いました

 2023年5月30日、東京高裁へ第9次の要請行動を行いました。14名が参加して署名598 筆を提出しました。累計は3万1千762筆になりました。今回は学術団体「法と心理学会」の学会誌2017 年号の特集記事「バイアスと冤罪」を提出しました。女性被害者や検察官が嘘を言うはずがないと思い込んでいる裁判官がいます。最初から被告人を犯人と決めつけ、恣意的に証拠を解釈して冤罪が作られています。

参加者からは以下のような訴えがありました

・病室は事件が起きるには到底あり得ない環境でした。これまで医師は無罪だという多くの方の賛同があって5 月1 日のメーデーでも多くの人に訴えさせていただき、殆どの人があり得ない話だと分かってくれました。性犯罪には常習性言われますが、外科医師はこれまで多くの女性患者の手術を行ってきて、一度も訴えられたことはありません。裁判所は適切に判断して一日も早く無罪にしてください。
・私は以前病院で看護師をしていて、せん妄の患者を多く見てきました。全身麻酔の手術から30分ほどしか立っていない患者の言動で医師が逮捕されるなんて考えられません。手術直後は看護師が頻繁に世話で出入りします。わいせつ行為があり得ない環境であることは病室で働いている職員ならすぐわかります。
・検察は無理なDNA鑑定を押し付けてきました。科捜研は科学的根拠のない杜撰な鑑定をして一審では無罪になりました。公正な裁判で早く無罪を確定させて、外科医師の名誉を回復させてください。
・長年看護師としてその後はケアマネとして医療の現場で働いてきました。この事件を身近に感じています。データを削除したり検体を廃棄して第三者が検証できなくなりました。診察をすれば舐める以外にもDNAは付着します。科学と呼べない証拠で有罪にするなんてあってはならないし、医療の現場が委縮して患者さんが不利益を被ることになります。医療現場で働く人達は注目しています。ぜひ公正な審理をお願いします。
・全くあり得ない事件だと思います。外科医師を助ける為に私にできることは何かと考えて
周りの人達に声をかけて署名を集めています。ぜひ速やかに正しい判断をしていだいて無罪判決を出してほしいと思います。
・乳腺外科医事件は医師が逮捕されたときから関心がありました。本人はもとより、家族の苦しみは想像を絶するものだと思います。一刻も早く公正な審理をお願いします。
・ある日突然普通の生活が奪われてしまったことを思うと、心が痛みます。私も7年間弁護士さんの話を聞いたりして、この事件は常識的にあり得ない話だと思います。ぜひ無罪判決をお願いします。

 今回提出した学会誌の記事「天文館強姦被告事件の予断」では、科捜研のDNA鑑定は抜本的な変革が必要だと述べています。当該事件で科捜研は検証に必要なデータを消去してDNAは定量できなかったと報告しました。一審の裁判官は検察の主張を盲信して懲役4年の有罪判決を言い渡しました。しかし2審の鑑定で被告人とは別のDNA型が検出されて、福岡高裁は科捜研によるデータ隠しまで疑って無罪判決を言い渡しました。
 2016年1月、この事件の反省から警察庁はDNA鑑定の記録保存などを見直す通達を出しました。ところが同じ年の6月に起きた乳腺外科医師事件では、科捜研はこの通達を無視して反省は生かされませんでした。警察の一部門である科捜研には有罪にするために証拠を捏造する動機が常にあるのです。科捜研の鑑定には当然第三者による検証が求められてしかるべきです。

4月14日、「東京高裁(差し戻し審)で勝利をめざすつどい」を開催

 4月14日、「東京高裁(差し戻し審)で勝利をめざすつどい」を北千住会場とオンライン併用で開催し、約90名が参加しました。最高裁で差し戻し判決が出されて約1年。公判が開かれていない中、外科医師の主任弁護人である高野弁護士が参加のみなさんへ裁判支援のお礼を述べるとともに「改めて事件を振り返りましょう」とこの間の裁判経過を辿りました。

4月14日 北千住会場

 検察から物的証拠として出されているのはDNA検査時の鉛筆書きで消した跡が何カ所もあるワークシートだけで、写真やDNA量を裏付ける検査基準線もない。証言でもそうした科捜研の非科学的やり方が初めて表沙汰になった。満床の多床室で物理的にもあり得ない行為、医師としての動機もないことで、1審は無罪になった。2審有罪判決は非科学的証言を採用して有罪としたが、最高裁はこれを否定し、検査の疑問点を解明しろと差し戻した。しかし、検察は裁判争点になっているのに検体を捨ててしまい「再検証は不可能」となり、自ら科学を否定している。なぜそこで無罪とならないのか?司法で科学の常識が通ることを願っているし、最後まで諦めないと語りました。高裁の現状についても、現在は非公開の会議が続いており、公判日程は未定。検察は、DNAに関すること以外に、「せん妄」についても主張している。弁護団は、一審以上に精緻な実験や検証をしようとしていると報告しました。
 外科医師を守る会呼びかけ人である救急現場の医師が、現場で「せん妄」が実にたくさんあると紹介し、それで有罪とされるなら国民の命や健康へ影響が及ぶと訴えました。外科医師のお母様も「私は絶対に諦めません」と力強い訴え、万雷の拍手が起こりました。最後に会から①署名を広げる、②実験のためのカンパの協力、③リーフを活用して、事実を多くの人に知ってもらう、④会への入会のお願い、⑤集まりや記事などで事件を訴える機会を提供して欲しい、の5つのお願いを行いました。引き続き、更なるご支援ご協力をお願いします。

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