8月28日、高裁判決報告集会を開催しました

 高裁判決の報告とともに、無罪判決を勝ち取るための新たな決起の場として報告集会を会場満席で無事終えることができました。改めて皆さんに感謝申し上げます。また今回、会場は新型コロナで入室制限される中、事前予約制として参加見合わせをお願いした方々もおられ、ご理解・ご協力いただきありがとうございました。

 開会のあいさつで柳原病院石川前院長は「術後せん妄を十分説明してこなかったことは痛恨の思い、せん妄を診断する国際基準があることを高裁は無視した、病院の関係者というだけで一生懸命事実を明らかにしようとした看護師の証言を、高裁は信用できないとした事はしっかり訴えていきたい」と述べました。

 主任弁護人の高野弁護士は「晴天の霹靂というべき衝撃的な逆転有罪判決だった。これまで刑事弁護士40年近くをやってきているが、これほどダメージを受けた判決はない。検察官の上訴がいかに理不尽で人間を痛めつけるものなのか改めて思い知らされた判決だった」と振り返り、「杜撰な科捜研の鑑定を問題がないとしたこと、せん妄の専門家の意見を捨てて一編の論文をも書いたことない、せん妄は素人の精神科医師の意見を採用したこと。女性患者の証言に迫真性があり矛盾がないと信用する一方で外科医師が自慰行為をしていたところを見たという、(判決に都合の悪い)点には触れない」「一審判決は、専門家の意見を丹念に検討して、典型的な術後の幻覚として無罪にしたが、高裁は数々の証拠を黙殺した。戦後四分の三世紀に渡って日本の司法は冤罪を繰り返してきたのは紛れもない事実。私も冤罪に出会ってきたことは何回もあるが、今回ほど衝撃的な事件はない。一審判決はあれだけの証拠を集め、認定して無罪にしたが、高裁はその証人の顔も見ていないし、高裁の裁判官は書面を見ただけで、言葉の遊びだけで有罪にしてしまう。これは恐ろしい事だ。弁護団は最高裁に向けて冤罪を確定させないようしなければならない。神経が疲れる仕事だと思うが、自分の目の前で冤罪を確定させたくはない。どうか皆さん、引き続きご支援をお願いしたい」と結びました。

 弁護団の小口弁護士は、あずみの里の弁護団として無罪判決を勝ち取れた経験から、「45万筆もの署名が集まったころからマスコミに多く取り上げられ、介護・看護の錚々たる人達が賛同してくれた。最終的には署名は73万筆に達し、高裁は無罪判決を書くしかなかったのではないか。本件でも、安心して最高裁が無罪を書けるように盛り上げていく必要がある」と社会に訴える活動について教訓を述べました。

 柳原病院の八巻医師は「事件に立ち会っていた当事者として、病室の環境やベッドの高さから事件は有り得ない。医師が診察すれば患者から医師のDNAが出ることは当たり前。高裁は看護師や同室患者の証言を無視した。これでは安心して医療ができない。医療界全体に影響する問題だ」と発言しました。

 集会に参加されていた方々からも激励の発言を頂き、弁護側推薦の専門家として証言した大西教授は「医学が綿々と積み上げてきた論文を否定された。判決を聞いていて本当に辛かった。外科医師を支援していく」と発言されました 。

 国民救援会の宇治橋都本部副会長は「無罪の証言・証拠を無視して有罪を前提として取り上げた判決」と述べ、自らの最高裁での闘いの経験に触れながら、「一般の医療行為を犯罪にしてはならない」「無罪のためにやれるべき事をやること」と共に頑張る決意を述べられました。

 足立健康友の会の伊藤会長は「逆転有罪にはびっくりした。安心して住み続けられる地域の地元の活動として無罪を目指して頑張ることにした。高裁判決は非常識で非科学的であり、常任幹事会として抗議する」と無罪を勝ち取るために頑張る決意を発言されました。

 その後、ご親族が心境を語るとともに、仕事で会場に来られなかった乳腺外科医師の手紙「とても問題が多い有罪判決で、私の医師としての診療継続だけでなく、家族との日常生活も奪われようとしています。無罪判決を疑わなかった心境を思い出すと腰が抜けるとはまさにこのことだと思いました。警察、検察ばかりでなく、裁判所までが不当な判断をする。最高裁判所に真っ当な判断をしてもらう必要があります。そのため、直接・間接の力を皆さんからも貰いたいと考えています。何卒よろしくお願い致します」と代読され、会場は多くの拍手で応えました。

 診療後会場にかけつけた東京保険医協会の佐藤医師も「勾留させられた時から支援してきた。術後せん妄の問題であり、証人に専門家でもない人を呼んだところから、最初から有罪と決めつけて証拠づくりをしてきたのではないかと思う。みなさんと弁護団の力でなんとしても無罪を勝ち取るために頑張って欲しい」と発言されました。

 最後に外科医師を守る会事務局から、

   ①最高裁宛の署名を広げること

   ②支援基金への協力

   ③外科医師を守る会入会のお願い

   ④事件や判決の内容をより広範な人達に知ってもらうために、集会の開催や各種集まりで訴えをさせていただきたい。

 と4点の具体的なお願いを提起し、午後8時に閉会しました。当日会場では42名の方から支援基金へ11万4千円のご支援が寄せられました。また、署名用紙もたくさんお持ち帰り頂きました。お忙しい中、集会に参加されたみなさんをはじめ、ご支援、ご協力いただいた多くのみなさんに改めて感謝申し上げます。今後ともよろしくお願い致します。

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