11月12日、最高裁へ署名を提出しました

 最高裁宛の署名にご協力いただき、ありがとうございます。多くのみなさまから昨日までに寄せられた署名を提出し、外科医師を守る会、国民救援会あわせて7名で30分程度、最高裁判所小寺訟廷首席書記官補佐に口頭にて要請をしました。

 本日提出した署名は29,707筆(うち団体署名6通)です。これまで提出した署名累計で34,208筆(うち団体署名23通)となりました。

 当面の間、月1回程度のペースで署名提出を行う予定ですので、引き続き署名へのご協力ををお願い致します。

 なお、弁護団は11月10日に最高裁判所へ上告趣意書を提出したとの事です。その内容については、11月27日開催予定の「上告趣意書学習会」にて弁護団から報告されます。学習会(ご案内は別途)にもぜひ、ご参加ください。

10月2日、2020年度司法総行動に参加、最高裁へ要請しました。

 午前中の集会から外科医師を守る会のメンバーが参加しました。昼には、最高裁前で宣伝カーから「乳腺外科医師冤罪事件」について訴えをさせて頂き、その周辺では署名の協力もお願いして約30筆ほど集めることができました。その後、個別事件毎に最高裁要請を行い、この約1ヶ月の間に皆さんから寄せられた4,501筆の署名を提出しつつ、裁判所の担当者に事実や科学に基づいた公正な判断をするよう要請をしました。お忙しい中、署名を寄せてくださったみなさんに感謝申し上げます。

 なお、弁護団から「最高裁への上告趣意書」提出期限は11月10日まで延長が認められたとの連絡がありました。さらに事件の内容を多くの方々に知っていただき、署名の輪・支援の世論を広げていきたいと思っております。引き続きのご支援をよろしくお願い致します。

 9月7日、最高裁統一要請行動に参加

 日本国民救援会が40年前から定期的に実施している第247次最高裁統一要請行動に、外科医師を守る会として参加しました。

 要請行動に先立ち、最高裁関係者の方々の出勤時間にあわせて、最高裁判所西門にて作成した「外科医師えん罪事件」のチラシを配布しながら、路上からの訴えも行いました。その後、コロナ対策として参加人数が10人と制限されていましたが、最高裁内の会議室にて約1時間、袴田えん罪事件を支援する方々とともに、外科医師を守る会も事件について訴えさせていただきました。最高裁第二訟廷上席書記官が対応し、私たちは東京高裁判決の不当性を訴えるとともに、最高裁として公正な判断をして、無罪判決を出して欲しいと要請しました。今後、機会あるごとに最高裁に対して署名提出や要請などの働きかけをしてゆく予定です。引き続き署名などご協力をよろしくお願い致します。

          9月7日 最高裁判所西門前にて

8月28日、高裁判決報告集会を開催しました

 高裁判決の報告とともに、無罪判決を勝ち取るための新たな決起の場として報告集会を会場満席で無事終えることができました。改めて皆さんに感謝申し上げます。また今回、会場は新型コロナで入室制限される中、事前予約制として参加見合わせをお願いした方々もおられ、ご理解・ご協力いただきありがとうございました。

 開会のあいさつで柳原病院石川前院長は「術後せん妄を十分説明してこなかったことは痛恨の思い、せん妄を診断する国際基準があることを高裁は無視した、病院の関係者というだけで一生懸命事実を明らかにしようとした看護師の証言を、高裁は信用できないとした事はしっかり訴えていきたい」と述べました。

 主任弁護人の高野弁護士は「晴天の霹靂というべき衝撃的な逆転有罪判決だった。これまで刑事弁護士40年近くをやってきているが、これほどダメージを受けた判決はない。検察官の上訴がいかに理不尽で人間を痛めつけるものなのか改めて思い知らされた判決だった」と振り返り、「杜撰な科捜研の鑑定を問題がないとしたこと、せん妄の専門家の意見を捨てて一編の論文をも書いたことない、せん妄は素人の精神科医師の意見を採用したこと。女性患者の証言に迫真性があり矛盾がないと信用する一方で外科医師が自慰行為をしていたところを見たという、(判決に都合の悪い)点には触れない」「一審判決は、専門家の意見を丹念に検討して、典型的な術後の幻覚として無罪にしたが、高裁は数々の証拠を黙殺した。戦後四分の三世紀に渡って日本の司法は冤罪を繰り返してきたのは紛れもない事実。私も冤罪に出会ってきたことは何回もあるが、今回ほど衝撃的な事件はない。一審判決はあれだけの証拠を集め、認定して無罪にしたが、高裁はその証人の顔も見ていないし、高裁の裁判官は書面を見ただけで、言葉の遊びだけで有罪にしてしまう。これは恐ろしい事だ。弁護団は最高裁に向けて冤罪を確定させないようしなければならない。神経が疲れる仕事だと思うが、自分の目の前で冤罪を確定させたくはない。どうか皆さん、引き続きご支援をお願いしたい」と結びました。

 弁護団の小口弁護士は、あずみの里の弁護団として無罪判決を勝ち取れた経験から、「45万筆もの署名が集まったころからマスコミに多く取り上げられ、介護・看護の錚々たる人達が賛同してくれた。最終的には署名は73万筆に達し、高裁は無罪判決を書くしかなかったのではないか。本件でも、安心して最高裁が無罪を書けるように盛り上げていく必要がある」と社会に訴える活動について教訓を述べました。

 柳原病院の八巻医師は「事件に立ち会っていた当事者として、病室の環境やベッドの高さから事件は有り得ない。医師が診察すれば患者から医師のDNAが出ることは当たり前。高裁は看護師や同室患者の証言を無視した。これでは安心して医療ができない。医療界全体に影響する問題だ」と発言しました。

 集会に参加されていた方々からも激励の発言を頂き、弁護側推薦の専門家として証言した大西教授は「医学が綿々と積み上げてきた論文を否定された。判決を聞いていて本当に辛かった。外科医師を支援していく」と発言されました 。

 国民救援会の宇治橋都本部副会長は「無罪の証言・証拠を無視して有罪を前提として取り上げた判決」と述べ、自らの最高裁での闘いの経験に触れながら、「一般の医療行為を犯罪にしてはならない」「無罪のためにやれるべき事をやること」と共に頑張る決意を述べられました。

 足立健康友の会の伊藤会長は「逆転有罪にはびっくりした。安心して住み続けられる地域の地元の活動として無罪を目指して頑張ることにした。高裁判決は非常識で非科学的であり、常任幹事会として抗議する」と無罪を勝ち取るために頑張る決意を発言されました。

 その後、ご親族が心境を語るとともに、仕事で会場に来られなかった乳腺外科医師の手紙「とても問題が多い有罪判決で、私の医師としての診療継続だけでなく、家族との日常生活も奪われようとしています。無罪判決を疑わなかった心境を思い出すと腰が抜けるとはまさにこのことだと思いました。警察、検察ばかりでなく、裁判所までが不当な判断をする。最高裁判所に真っ当な判断をしてもらう必要があります。そのため、直接・間接の力を皆さんからも貰いたいと考えています。何卒よろしくお願い致します」と代読され、会場は多くの拍手で応えました。

 診療後会場にかけつけた東京保険医協会の佐藤医師も「勾留させられた時から支援してきた。術後せん妄の問題であり、証人に専門家でもない人を呼んだところから、最初から有罪と決めつけて証拠づくりをしてきたのではないかと思う。みなさんと弁護団の力でなんとしても無罪を勝ち取るために頑張って欲しい」と発言されました。

 最後に外科医師を守る会事務局から、

   ①最高裁宛の署名を広げること

   ②支援基金への協力

   ③外科医師を守る会入会のお願い

   ④事件や判決の内容をより広範な人達に知ってもらうために、集会の開催や各種集まりで訴えをさせていただきたい。

 と4点の具体的なお願いを提起し、午後8時に閉会しました。当日会場では42名の方から支援基金へ11万4千円のご支援が寄せられました。また、署名用紙もたくさんお持ち帰り頂きました。お忙しい中、集会に参加されたみなさんをはじめ、ご支援、ご協力いただいた多くのみなさんに改めて感謝申し上げます。今後ともよろしくお願い致します。

  最高裁判所宛の署名にご協力を!

 外科医師を守る会では、最高裁宛に「高裁判決を破棄し、無罪にして下さい」の署名に取り組みます。最高裁は、地裁・高裁と違って、原則として法廷が開かれません。それだけに、「法廷外の傍聴人」である署名の数が重要です。「無実の人は無罪に」「この事件に関心がある」という世論を示すことになります。下記署名用紙をダウンロードして頂き、記載の 「外科医師を守る会」宛てに郵送していただくか、PDFファイルで外科医師を守る会メールへ送付をお願いします。

最高裁宛署名用紙PDF → https://gekaimamoru.org/wp-content/uploads/2020/09/85caf648f3d69e5790101d026d9b70e9-1.pdf

8月28日 判決報告会を開催します

 参加申し込みが、定数の100名(コロナ対策のため入場制限)となりましたので、8月26日正午をもって、申し込みを締め切らせて頂きました。報告会はコロナ対応として事前予約制とさせていただきましたので、事前予約されていない方の入場はできません。どうかご了承ください。

 高裁判決についての報告会を開催し、弁護団による高裁判決の問題点について学ぶとともに、無罪判決を勝ち取るための新たな決起の場にしたいと思っております。大変ご面倒をおかけしますが、コロナ対策として概ね100名の参加の事前予約制としますので、参加ご希望の方は上記申込書の内容を8月26日までにメールまたは電話で外科医師を守る会まで連絡ください。コロナ禍の影響により、会場管理者からの要請によって中止をする場合もございますので、あらかじめご承知おきください。

  高裁判決後の見解・報道など

 7月13日の高裁不当判決後に医療団体から出されている見解や判決内容に関する記事をリンクさせて頂きます。

高裁判決に対して各団体の見解

日本医師会 https://www.med.or.jp/nichiionline/article/009494.html

東京保険医協会 https://www.hokeni.org/docs/2020071700010/

全国医師連盟 http://zennirenn.com/news/2020/07/post-94.html

日本医師会・日本医学会合同記者会見 https://www.med.or.jp/nichiionline/article/009505.html

日本医療法人協会 https://gekaimamoru.org/wp-content/uploads/2020/09/6a6b3c1d7fb8fa9a5550c00f12261a9e.pdf

高裁判決に関する記事

ジャーナリスト江川紹子さん(Yahooニュース)  https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20190220-00115538/

医療ジャーナリスト 福原麻希さん(Diamond Online)  https://diamond.jp/articles/-/243085

弁護士ドットコムニュース https://www.bengo4.com/c_1009/n_11582/

m3.com(会員登録が必要)https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/799737/?category=

日経メディカル(会員登録が必要)https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/yakushiji/202007/566424.html

   東京高裁の不当判決に抗議する

 本日7月13日、東京高等裁判所第10刑事部は、乳腺外科医師冤罪事件の控訴審において、「外科医師は無罪」とした東京地裁の無罪判決を破棄して、懲役2年の実刑判決を出しました。私たちは、この不当判決に満身の怒りをこめて、断固抗議をするものです。

 この事件は、2016年5月10日、東京都足立区の柳原病院で右胸から乳腺腫瘍を摘出する手術を執刀した外科医師が、女性患者から「術後に左胸を舐めるなどのわいせつ行為をされた」と訴えられたものです。患者は手術時に全身麻酔をしており、「被害」を訴えたのは術後約30分のことでした。外科医師は、一貫して無実を主張していました。外科医師は2016年8月25日に「準強制わいせつ罪」で逮捕され、9月に起訴されました。逃亡・証拠隠滅の恐れがないにもかかわらず、外科医師の身柄拘束は105日間も続きました。

 弁護団は、「女性患者は術後せん妄の状態にあり、幻覚を見ていた可能性がある。科学捜査研究所によるDNA鑑定およびアミラーゼ鑑定は再現性・科学的信頼性がない。手術前の診療行為の際などに、外科医師のDNAが付着した可能性があり、わいせつ行為を行なったことにはならない」と一貫して主張してきました。東京地方裁判所においては、①麻酔覚醒時のせん妄の有無と程度による患者証言の信用性②DNA鑑定及びアミラーゼ鑑定に対して科学証拠としての許容性、信用性及び証明力を主要な争点として審理され、「犯罪の証明がない」として2019年2月20日、無罪判決が出されました。

 東京高裁では、「手術後のせん妄の有無」を争点として専門家による証言が行われました。審理のなかでは、豊富な診療例と国際的に確立された診断基準により「女性患者がせん妄状態であったことは明瞭である」ことを示し、事実と科学的道理にかなうのは「控訴棄却判決」=「外科医師は無罪」しかないことが明らかになりました。それにもかかわらず東京高裁は、非常識かつ非科学的な判決を言い渡しました。判決では、自ら「せん妄の専門家ではない」と法廷で言った高裁の検察側推薦の証人が独自に展開する証言を採用し、一審段階からの専門家の科学的知見を排斥する暴挙に出ました。そして、DNA鑑定及びアミラーゼ鑑定についても、データや抽出液廃棄などが行なわれて再現性・科学的信頼性がないのにもかかわらず、科捜研の検査員であることを理由に信用性を認めました。事実と科学を否定した判決であり、「有罪ありき」と言わざるをえないものです。

 外科医師の逮捕・起訴から約4年間、今でも多くの医師・医療従事者、さらに患者がこの事件に関心を寄せているのは、「麻酔覚醒時の患者証言のみにより逮捕・起訴・長期勾留されることになれば、日常の医療行為が安心してできなくなる」との懸念を抱き、それが医療現場の委縮を招き、ひいては患者の生命や健康に損害を及ぼしかねないからに他なりません。

 私たちは、事実に基づいた科学的な証明により外科医師の無実を確信し、支援を続けてきました。外科医師の無罪を勝ちとるためにご支援いただいた全国の皆さんに心から感謝を申し上げるとともに、引き続き、弁護団と手を携えながら、一日も早く無罪を確定させるまで奮闘する決意を表明します。

  2020年7月13日

                外科医師を守る会

             7月13日 東京高裁前
          7月13日 判決直前にも高裁前で訴えました

判決日、7月13日(月)です

 日頃より、ご支援ご協力ありがとうございます。

 コロナ禍によって判決日程が延期となっていましたが、7月13日(月)、14時より、東京高裁102号法廷(前回公判と同じ)で判決となりました。前回同様にコロナ対策として裁判傍聴席数は減じられ、傍聴は抽選になると思われます(下記リンクをご覧ください)。事務局としては、現状に鑑み傍聴呼びかけを積極的には行いませんが、関係者傍聴のためにご協力いただける方は抽選券確保をお願いしたいと思います。

https://www.courts.go.jp/app/botyokoufu_jp/list?id=6 傍聴券交付情報URL

 また、判決終了後別場所において密を避けることを念頭に、短時間で判決報告会を開催する予定です。こちらへの参加ご希望の方は、7月6日までにメールにてお問合せください。

 なお、高裁で判決が出されることから、これまでの総括的な報告会を8月下旬に予定しております。日程や場所などについては改めてお知らせ致します。